第六巻 たった一言で【1〜9部】



第六巻 たった一言で「ぜんぶ母さんにうつしな」発刊のご挨拶
 「あなたの心に響いた『たった一言』を教えてください。そして、「それにまつわるエピソードを教えてください」
そんな呼びかけによる「たった一言で」コンテストも、今回で6回目。おかげさまで、第六巻もたくさんのご応募をいただきました。そして、入選作品277編の中から、さらに50編を選び、本書を出版することができました。たった一言で元気づけられ、たった一言で明日への力が出てくる。誰にも、そんなことがあるはずです。

 ある日、タクシーに乗りました。3本ほど電話をかけて用事を済ませてから、じっと目を閉じて考え事をしていました。すると、運転手さんに声を掛けられて我に戻りました。「お疲れのご様子ですね」「え?」もしよろしければ、窓を開けて外の空気を入れましょうか?」
 実は、仕事のトラブルがあり、「どうしようかな」と考えていたのです。そのへこの一言です。まだ3月初めで寒い夕暮れでしたが、少しだけ開いたが窓から入り込む風に深呼吸をすると、なんだか力が沸いてきました。「疲れているの、わかりましたか?」「ごめんなさい、さきほどの電話を漏れ聞いてしまいました。バックミラーでお顔の様子を拝見しましたら・・・」とその運転手さんいわく、「私たちの仕事は、安全かつ快適に目的地までお客様を運ぶことにありますから」と。まさしく「快適」な乗り心地でした。たった一言が心に響いて。

 今回も、さまざまな辛いこと、苦しいこと、病気や挫折の物語が届きました。そして、たった一言で、心が温かくなり、癒されて、元気になり、「また頑張ろう!」という力がわいてきたエピソードです。辛いのは「あなた」だけではありません。ぜひ、あなた自身が主人公に成り代わって、ご一読いただけたら幸いです。心のビタミンになることを祈って。【プチ紳士・プチ淑女を探せ!】運動 代表 志賀内 泰弘



掲載作品いい言葉で賞

「お手伝いしましょうか?」…高崎市立高松中学校 氏名:かよこさん

 20代の頃。夏の暑い日にスーパーへ行きビニール袋いっぱいの荷物を両手で持ち、赤ちゃんを抱っこして日陰を探しながら道をとぼとぼ歩いていました。『赤ちゃんがもう少し大きくなって自転車に乗せられるようになると買い物も楽になるのになぁ…』そんなことを考えていたと思います。たまたま歩いていた腰の曲がったご高齢のおばあさんがすれ違う時に微笑みながら『お手伝いしましょうか?』と声を掛けて下さいました。まだ若かったですし今まで言うことがあっても言われたことはありませんでした。『ありがとうございます。大丈夫です』とお伝えして分かれました。おばあさんにとって歩いているだけでも夏の暑さでしんどかったはずなのに…
心の広さに感動しました。



掲載作品こころぽかぽか賞

「頑張らなくていいよ。」… 氏名:ふくちゃんマンさん

 5年前に初めて出産した時の事です。
 生命力に溢れた産声、初めて抱っこした時柔らかくて壊れてしまいそうで、大事にそっと抱きしめた事、小さい握りしめたままの手、すべてが愛おしくて涙したのに現実は朝昼夜問わず泣き続ける息子。オムツも変えた、おっぱいも飲んだ、抱っこもしてるのにどれもダメ。

子どもが産まれてから、途切れ途切れの睡眠しかとっていない私のほうが泣きたいよ。
こんなに頑張っているのに、周りからかけられる言葉は
お母さんになったんだから、頑張って!
そんな事で弱音吐いてどうするの!?これからもっと大変になるから頑張るんだよ!!
頑張って!頑張って!頑張って!!!!!!

 私がもっと頑張らないからダメなんだ。すべてが愛おしかったはずなのに、こんな事で辛いと感じる私は駄目な母親なんだ!と今思えばかなりギリギリの所にいました。そんな時に母親が、充分頑張っているんだから、もう頑張らなくていいよ。あなたは毎日毎日よく頑張っているるよ!ちょっと位泣かせたままにしていても大丈夫!肩の力を抜いて家族をもっと頼っていいんだよ。見ておくから一人でゆっくりしておいでと言ってくれました。
 今まで頑張れ!と言われ続けてきて、必死に頑張っていましたが母親が今までの頑張りを認めてくれて、その上で頑張らなくていいよ。と言ってくれたお陰で肩の力が抜けました。今でも実家に帰る度に、「こんな優しい子に育って、上手に子育てしているね!よく頑張っているね」と言ってくれます。
 いつか私も同じ立場に立った時に、その人を見て本当に優しい言葉をかけられるようになれるようになりたいなと思います。
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770円(内税)
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